【音楽コラム】唱歌より「かたつむり」

このブログのアクセス解析を見ていると「夏は来ぬ」の歌詞の意味で検索してここに来られている人も多い。そうか、歌詞の意味とか背景とか、知ってることを書くと役に立つかも、、、ということで書いていきます。

「かたつむり」は文部省唱歌 誰が作ったのだろうか?

かたつむり
作詞作曲者がはっきりしないという「文部省唱歌」だが、最近の研究では作詞は「早春賦」の作者としてその名が残る吉丸一昌ではないかと言われてる。吉丸は東京音楽学校(現在の東京芸大)の教授を努めた人だが、文部省の編集委員もしていた。

ヤマハミュージックメディア「唱歌・童謡の真実」竹内貴久雄著より

当時の唱歌には作詞作曲の欄に「文部省唱歌」とだけ書いてあり、作者が明記されていないものも多い。吉丸一昌さんの曲ではないかといわれているものの中には「桃太郎」「日の丸」「池の鯉」もあるのでは?とのことですが、いずれもまだ確定はしていないとのこと。

macro shot of snail
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かたつむりは「でーんでんむーしむしかーたつむりー」という歌い出しで始まります。
「でんでんむし」という言葉は、室町時代の古典演劇である「蝸牛(かぎゅう)」という狂言の中に出てくるそうです。
「かたつむり」はマイマイというのが学名。
6月の中旬には紫陽花の色がどんどん深くなってきて、そこに雨が降り、美しくて。かたつむりもその景色の中に見えることが。(うちではあまり見えません。主になめくじの方が多い気がします)

「つのだせやりだせあたま出せ」 ここのメロディーはソルフェージュ的なことを考えると
「そどどそ、みそそみ、どみみーれど」の中で、非和声音は「レ 」だけで、あとは全部ドミソの和音(Cのコードね)の音だけで構成されている。シンプルだけど言葉と、そのだんだんに降りてくる和音の展開の形が結構おもしろい。

この「角」と「槍」は恋の「矢」では?とも本に書かれています(上記の「唱歌・童謡の真実」ヤマハミュージックメディア社 竹内貴久雄著)「恋矢」(れんし)とも読むそうです。

童謡や唱歌のエピソードや謎についての本

この「唱歌、童謡の100の真実」は懐かしい童謡や唱歌を歌うのには手元においておくとよい本だと思います。わたしは枕元に置くか、持ち歩くかしています。


あとは「なぞなぞコンサート」で一度お世話になった合田直人さんの本や、昔からある解説の本、新聞の切り抜きなどをよく読んで、生徒さんに説明したり、自分が歌う時の参考にもしています。

若い時には実はあまり興味がなかった日本の童謡唱歌なのですが(笑)、今はその歴史や背景など調べるのがとても楽しくて!

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