【声のこと】若くても心配な声帯と口周りの筋肉の衰えについて

会社での業務。昔より「喋ること」が少ないのではないか?
昔は電話で話したが、今はメールなどでのやりとりが多くなってきている。
パソコンでの作業が当たり前になってきた。

それぞれのデスクにはパソコン。みんながパソコンに向かって仕事をしている。
互いに用があるときは画面では作業と並行してチャットで社員同士が会話しながらすすめていく様子。
声を出して会話することは少なくなってきているのではないだろうか?あくまでも以前と比べてであるが。
もちろん職種や部署によってはもちろん「声」や「喋り」が大切なツールであることは変わりない。プレゼンテーションというシーンや営業では特に。

✳️スマートフォンの出現、メールやLineの出現は便利であるが、、、、


プライベートでもメールやラインなどの出現によって圧倒的に声を出すことが少なくなっている。
また昨今の SNSの活用。
実際に会って話すということが少なくなっている若い世代が年齢を重ねていくと
今の高齢者よりも口腔、呼吸、筋肉の低下などがもっと深刻な状態になるのではないか?
電話での会話も以前にくらべて少なくなってきているのでは?
喋らなくてもことが足りてしまうことは口周りの筋肉や声を退化させていく。
今はそれでも大きな影響はないが、年齢を重ねた時にどうなるか。ちょっと心配である。

✳️引きこもりがちな息子さんがいらっしゃる方にお聴きしたこと


自室から出にくい状態で、仕事をしていない、他との接触がほぼないとおっしゃる男性のお母さんからある紙をいただいたことがある。
それには「ディクション」と書かれており、唇や舌、舌の付け根などを使って発声するトレーニングの表で、引きこもりがちな人たちが社会復帰を目指すために集まってトレーニングを受ける時にこの紙を使っている、とおっしゃっていた。
それはカラオケボックスに集まってトレーニングするらしい。

なぜそういったトレーニングをするかというと、いざ「外に出よう」「働きたい」と思っても
会話をほとんどしないでいると自分の思っていることを人に伝えるときに口がよく動かなくて想いを伝えることができない、受け答えがスムーズにいかないということ。
声が出にくくなってしまい喋る事が以前のようにできなくなっていて、せっかくのチャンスややりたいと思う気持ちが萎えてしまうからだそう。ちょっとした失敗もやっとの想いで外にでて機会を持った状態であるとダメージは大きい。

もしも喋らなくてもいい職種だとしても、面接や仕事を教わるシーンではかならず会話が必要になってくる。
いざというときに声が思うように出ないというつらさを感じるとせっかくの心が前向きになっているのにその方向が変わってしまうかもしれないのだ。

じゃあ「トレーニングしなさい」とまだその時期が来ていないのにすすめても
それは大きな心の負担になるだけで、まずはまわりや本人が
「ずっと喋らなかったら声が出にくくなるかもしれない」「トレーニングすれば改善できる」ということを知っておくとよい。心の片隅に置いておいてほしい。
若い世代の方の中には「いや、そんなことはない。自分はちゃんと会話している」と思われる方も
いらっしゃるかもしれない。
しかし私が若かったときの連絡手段は(私は50代)家の電話、公衆電話、手紙しかなかった。
あとは対面で直接言葉をかわすことが当たり前。

わたしたちが今携帯やスマートフォン、パソコンと向き合っている時間はトータルでどのぐらいになるだろうか?その時間は私が20歳の頃には生活の中にはなかった時間、、、、
じゃあ何をしていたのだろうか?
待ち合わせがうまくいかないときは、駅の伝言板に「先に行きます ○○さんへ」など書いたり
じっと30分待ったりしていて(そんなことは信じられないのでは?)今現在とは随分違った生活をしていた。
テレビも白黒だった時代もあり、本当に現在とは違う生活をしていて
「会話」を楽しむことがもっと毎日行われていたと思う。
コンビニもなく、夜はもっと暗くて静かだった。
逆に夜は飲みに行ったり踊りに行ったりして騒いでいた。これは会話を直接楽しんでもいたの。
便利になった今日では様々な技術も発達してそれはとても素晴らしいこと。便利になった現代、人間の体が持つ本来の力にもう一度目を向けてみる必要があるかもしれない。
自分のからだの声に耳を傾ける必要が。

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