「良寛相聞」の楽曲説明の前に・・・・・・
この曲を歌うにあたって、合唱団のみんなでバス旅行に行きました。良寛さん、といえば玉島の
円通寺さんで修行をされたことをご存知ですか?
一度だけ、結婚前に(いつやねん・・・)行ったことがあるような記憶があるのですが、この曲を指揮するにはまだ情報が足らないなあ・・・ということでいざ!
バスで登れるところまで行って、そこから階段を登ります。かなりの段数があり、途方に暮れた人もいたかも。良寛さんの像が出迎えてくださいます。桜の季節に行ったのでそれはそれは美しくて心が洗われるよう。ここで良寛さんは修行されたのですね。
遠い昔に想いを馳せました。今のように簡単に移動できる時代ではなく、こんなところまでどうやって来られたのだのだろう?
混声合唱とピアノのための「良寛相聞」作曲 千原英喜
江戸時代の禅僧・良寛とその弟子・貞心尼が互いの情を詠みあった
、いわゆる相聞歌集とも言える「蓮の露」を中心に、詩歌十一首を
テキストに選んで、全4曲の組曲とした作品です。
手まりつきでよく知られる良寛ですが、神秘と耽美に充ちた良寛の
別の面をも描き出そうと試みられています。比較的取り組みやすい
作品ですので、千原ワールドへの導入作品としてお薦めです。
名古屋大学医学部混声合唱団の第50回記念定期演奏会のために委嘱
され、同合唱団およびOBOGにより2007年1月に初演されました。(指
揮 当間修一)パナムジカの作品紹介ページ参照
一曲目 相聞 1/パストラーレ
貞心尼(ていしんに)
(歌詞そのままを書くことはできませんが、大意をお知らせします)
和歌を詠みましょうか?それとも手毬をつきましょうか?野に出てみましょうか?あなたの思うまま遊びましょう。さあ、どうしますか?
・・・・・・・・・(この「思うまま」というのが「君のまにまに」という言葉で書かれており、わたしはここが好きです)
良寛
それでは和歌でも詠んでみましょうか。手毬もついてみよう。野にも出てみようか?どれも楽しくて一つには決められないよ
・・・・・・・・・・・・・ここで「相聞」という言葉が題名に出てきますがそれは男女の相思の情をよみあう歌のことで、手紙をかわし、語り合い歌を読み交わすことであります。
「パストラーレ」は牧歌的という意味。たしかにのどか(落ち着いたテンポ)で、景色がひろがるようなそんな曲になっています。しかし、音の使い方はのどか、と一言では言い表せない、何か霧かもやがかかった中を彷徨っているような気がする。
同じようなフレーズはよく似た形で繰り返されますが少しずつ変化していき、歌う方も指揮する方も緊張します。ピアノの響きが体にそっとまとわりつき、時代をぐんとさかのぼっていくような、そんな気持ちになる。
どこかから、はっきりは見えないところから声が聴こえる・・・・・
(音はYouTubeに伴奏の一部をアップして載せます・・・多分それなら問題ないと思うので)
二曲目 「手まり」
春が来て草庵を出て里にいくと道の辻で
春だ、春だ と、子供たちが手まりをついている。
私も子供達に混じって手まりをつく
ひいふうみよいむなや
おまえさんがつけば私は歌い私がつけば、おまえさんは歌う
ついたり歌ったり遊び過ごしてのどかな春の日はたとえくれずにいてもよいよ
・・・・・・・・・・・・・・この、三拍子の曲は途中の「かすみ立つ長き春日の・・・・」ところから四拍子になり、深みのある旋律とハーモニーがレガートで歌われるのです。歌っていて非常に気持ちがよく、何度歌っても飽きることはありません。