【音楽コラム】楽譜は手にとって選ぶのが可能ならぜひ自身の目で選んでみてください

音楽は自由に楽しむもの。
自分だけで楽しむ場合は「耳コピー」して楽器を奏でたり歌ったりすることで十分かもしれない。
しかし、きちんとやりたい、人と一緒に合わせたい、
と思う時に、楽譜は地図のような役割を果たしてくれる。

今はインターネットで簡単に書籍も楽譜も買うことができる。
そしてそのデータの販売もされているから
自宅で印刷したりコンビニでも印刷できるように
どんどん便利になっている。
その便利さはありがたい。もちろん私も利用している。

しかし、実は音楽の場合、楽器の習得にしても歌にしても
ちゃんとやろうと思ったら昔と同じようにコツコツと時間をかけていかないと
簡単には身につかないのである。クリックすれば技術が手に入るわけではない。
だから音楽の練習には時間が必要になってくる。

そのときに楽譜はとても大事なものとなる。
インターネットで楽譜を注文できるのはとても便利であるが
時間のあるときに楽器店へ行って楽譜を手にする。
いろいろ見てみることは実はとても大事なこと。

さきほども用事があってホールへ行き、帰りにそのビルの中にある楽器店に寄り
様々な楽譜を手にとってみた。

新しいものもたくさん出ていて(今日の私は特に合唱の譜面をよく見ました)
混声でしか発売されてなかった曲が女声での楽譜が発売されていたり
最近よくネットで動画を観るあの歌手の楽譜も出ていたり
輸入盤がおすすめ価格になっていたり(昔はかなり高価でした)
音楽に関する雑誌もたくさんあって
「あれも欲しい」「これも欲しい」状態になって困った。

実は私はピアノを習い始めてから引っ越したり事情があったりして
幼い頃にピアノの先生がどんどんかわってしまった。
それでやっと落ち着いて一人の先生からピアノと声楽と聴音(最初はすごく苦手でした)を教えていただけることになった。

その先生は楽器店の三階にレッスン室を借りていらして
その部屋でレッスンを受けて帰りに二階の楽譜売り場の棚を隅から隅まで見るのが大好きだった。
「チゴイネルワイゼン」を学校で聴くと、その楽譜を探してみる。
小学校5年だったからピアノの楽譜とヴァイオリンの楽譜の違いもよくわからずに。
それでも「全音ピアノピース」という名曲が一曲ずつ買えるピースの楽譜の中に
「チゴイネルワイゼン」を見つけて、中を見たら
これはおえんわ(岡山弁ですみません。だめだわ、という意味です)聴くとみるとじゃ全然違うんじゃなあ」と思いながらもなんとなく財布を見ると買えそうなお値段。
今はすぐに親とスイスイと連絡できる手段がありますが
当時はありません。
「買っちゃえ!」っと思って
買って買えると案の定「まだそんなの弾けないのに。難しいのばっかり買ってきてから」と言われるのですが
それでも子供が名曲に興味を持つことはいいことなんでしょうね。
「まだ弾けんじゃろう」曲の楽譜を見ながらレコードや、当時はFMを始終聞いていて、それをカセットテープに(若い方ご存知ですか?)録って
繰り返し繰り返し聴いてたので
そのようにして楽譜を眺めて「ああ、やっぱりええ曲じゃなあ」と
外遊びの合間に楽しんでいました。

楽譜の売り場は宝庫です。
たとえお目当のものがなくても行ってみると新鮮かもしれない。

当時、ベートーヴェンのトルコマーチは一曲60円でした。

今はこちらが550円。モーツアルトのトルコマーチ

ベートーヴェン は212円。

この値段の差はページ数だと思います。

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