【音楽コラム】楽器と歌と筋肉と「音楽は体力だ」

長い間付き合いがある年上の女性が
「少し具合が悪くて寝ていたら歩けなくなったのよ」と言いながら
他の人に手を引かれて入ってこられた。

「歩けなくなったので手押し車で来たよ」とおっしゃる。
その車は一階に置いて、エレベーターで上がってこられたようだ。

ほんの少し前まで自転車で颯爽とあらわれるのが常だったのに・・・・
「でもね、歌いに来た。歌ってる時だけ気持ちがいいからね」と言われると
これはなんとしても足を、無理をしないでいいけど
少し筋肉をなんとかしてほしい、と
みんなで座ってできるトレーニングをした。すぐにどうなるものではないと思うけど
いっしょにできる運動をしたかったから。
(その後その方はまた一人で歩けるようになられました。少し安心しました)

私は最近その手の本を買いあさり、とにかく1日でも長く、
今の生活を続けていただけるように、と研究している。
足はどんどん細くなる。年齢を重ねると。
だから立ち上がることや歩くことが困難になってくる。だんだんに。
でもやっぱり如実にそういう症状があらわれるのは
「入院や手術をした後」や「寝込んでしまった後」が多い。
かといって、動き過ぎてもいけない。
転ぶことも多くなる。
なんと微妙なバランスで生きていくのか、と思う。

筋肉といえばピアノもそう。
歌の伴奏で毎日毎日ピアノに向かう。
楽譜通りに弾くとしよう。でも、伴奏の楽譜の(ドイツリートや難しい日本歌曲、オペラのアリアはまた違います)音は、弾くにはそんなにソロの曲ほどは難しくない。
そして、私のように自分でアレンジしたものを即興で弾く場合もそうだが
それらは
本気のピアノ曲を弾く時と比べると
筋肉の使い方、体の使い方が少々違うと思っている。
音の大きさも違う。音の密度も。本気のピアノ曲、クラシックをきちんと弾くには
体がすごく重要になってくる。鍛えないと、衰えた体ではだめかもしれない。

特にアレンジして弾く場合は
自分で都合のよいようにからだをつかっている。
特に弾き歌いはここちよい感じ。だから自分のできる範囲のことしかできてない。

脱力はどちらのどの音楽であっても大切なポイントだが
瞬発力や音の多さ、使う音の範囲など
本気のピアノ曲を弾くことをしないでおくと
せっかくついた筋力が萎えてしまうように感じる。

だから日々の、仕事のためだけではないピアノの練習が必要になってくる。
自分が勉強しようとしている曲。
レッスンで先生にみていただく曲。
過去の曲などを弾いていかないと
長年積み重ねたものが減っていくのを実感している。

スケール、アルペジオ、バッハの小品ぐらいは最低でも毎日弾いておきたい。

だから帰ってからホッと一息つくと
なるべくピアノに向かう。
できない日は結構つらい。練習は最高の自分の大切な時間でもあり、トレーニングでもある。
まるでアスリートなのだ。

仕事で毎日何時間もピアノを弾きながら歌ったとしても
自分の練習はそれとは違う。
そう毎日感じている。

歌も同じです。

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