ちょうど一週間前の今日は「第九」の公演でした。
もう一週間が過ぎ、公演によるクラスターなどが発生していないことで安心してます。

合唱は「悪」
歌は「悪」
「集まるな」 
これらを全部兼ね備えた第九の練習と公演。
勇気が必要でしたね〜。よくホールが決断してくださったと思います。ごく最小限の人数での相談を重ねた数年間。私たち指導陣や会の役員(私は両方兼ねています)は「今年できなかったら継続できないかもしれないのでぜひやりたい」という強い想いを持ってホールと話し合いました。
もしかしたらマスクが取れるかもしれない、そのために距離をとって立ってもらう位には何人なら良いか?何人で歌えばなんとかなるか?と考えてのオーディション。
お馴染みのあのお顔、このお顔、みんなで歌いたいけれど苦渋の決断で選考をさせていただきました。
ゲネプロ(本番当日の午前中に本番のように演奏するリハーサルのようなもの)の時にホールのスタッフNさんに録音してもらい、いつもの私の便利グッズであるBOSEのスピーカーで女声、男声それぞれで自分達の演奏が、はっきり言うと「マスクして少人数で」どんな感じに聞こえるのか?と言うのを確かめたい、でも怖い・・・それでも「本当のことを知るのは大事」と、一緒に聴いてみてなんとも少しがっかりしたのではないのでしょうか?
マスク着用・少人数の他に「前に並んだオケとの距離」があります。今までに経験したことのないような何メートルでしょうか?合唱団の前でバレエが踊れる程の距離がありました。
これで声が届くの?オケに消されるのでは?と言う不安も多かったと思います。
それでも合唱団の皆さん、基本を忘れず、また指揮者からとてもいい指導を受け、真面目に練習を重ね、その成果をお客様の前でちゃんと披露できたと思います。
ひょっとしたらお客様に大きな声量でお届けはできなかったかもしれないけれど、心を一つにした演奏ができたと思います。
みんなそれぞれいつもより頑張って歌ってくださったと思いますし、何よりも「合唱は危険」と言われる、ひょっとしたらそうかもしれないけれど、でもなぜ合唱だけこんなに?と思うような強い圧迫を受けている現場に勇気を出して参加してくださった皆様の勇気と信念を私は一生忘れません。
指揮者の姿を第二楽章が終わってからソリストを一緒にステージに入った時に見て、いつも練習では「白」をお召しになっているマエストロが紺か黒の素敵なハイネック(ネクタイをしないでハイネックの上着)の衣装に、銀色のセミロングヘアのコントラスト、そして「マスクなし」の笑顔。そこで涙腺が崩壊しそうでした。

続く

この記事を書いた人

吉井 江里

岡山市で活動している吉井江里です♪合唱指揮、ピアノを弾きながらの歌の講座や合唱指導、講演やライブ等の活動中。2015年3月18日完成の映画「見えないから見えたもの」(盲目の教師、竹内昌彦先生の映画)挿入歌「点字のラブレター」や「ワルツ」を作曲。